厚生労働省の統計によると、白内障の手術件数は年間約160万件にのぼり、日本で最も多く行われている手術のひとつです。70代では8割以上の方に白内障の症状が見られるとも言われています。
それだけ一般的な手術であるにもかかわらず、「目の手術」と聞くだけで不安になる方は少なくありません。この記事では、白内障とはどんな病気か、手術はどのように行われるのかを、基本からわかりやすく解説します。
白内障とは?なぜ起こる?
白内障とは、目の中にある「水晶体」という部分が白く濁ることで、視力が低下する病気です。水晶体はカメラでいうレンズの役割を果たしていて、ここが濁ると光がうまく通らなくなり、ものがかすんで見えたり、まぶしさを強く感じるようになります。
最も多い原因は加齢です。水晶体のタンパク質が年齢とともに変性し、徐々に濁っていきます。そのため白内障は「老化現象」の一つとも言え、長生きすればほぼ全員がかかる可能性がある病気です。紫外線やステロイド薬の長期使用、糖尿病なども発症リスクを高める要因として知られています。
手術に関する基本的な情報を、公的機関の情報から確認してみましょう。
白内障手術の公的な情報
公的機関の見解
厚生労働省の患者調査および手術統計によると、白内障手術は日本国内で年間約160万件以上実施されており、最も件数の多い手術の一つです。標準的な水晶体再建術(超音波乳化吸引術+人工レンズ挿入)は保険適用で、3割負担の場合は片目あたり約4万5千円〜6万円程度が目安とされています。
出典:厚生労働省 – 患者調査
公的機関の見解
日本眼科学会は、白内障手術のタイミングについて「日常生活に支障が出てきた段階」での手術を推奨しています。手術方法は、濁った水晶体を超音波で砕いて吸い出し、代わりに人工のレンズを入れるという方法が一般的で、手術時間は通常15〜30分程度です。局所麻酔で行われるため、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。
手術の基本がわかったところで、受ける前に知っておきたいポイントを整理しましょう。
手術を受ける前に知っておきたいこと
手術時間は15〜30分。日帰りが一般的
白内障手術は局所麻酔(目薬の麻酔)で行われ、手術自体は15〜30分程度で終わります。多くのクリニックでは日帰り手術に対応しています。術後は保護メガネを着用し、翌日の受診で経過を確認するのが一般的な流れです。入院が必要なケースもありますが、全身状態に問題がなければ日帰りで完結することがほとんどです。
眼内レンズの選択で見え方が変わる
手術で挿入する人工レンズには「単焦点レンズ」と「多焦点レンズ」があります。単焦点は保険適用で、遠方か近方のどちらかにピントを合わせます。多焦点は遠近両方に対応しますが、選定療養またはレンズ代が自費となり追加費用がかかります。どちらが自分に合っているかは、ライフスタイルに応じて医師と相談して決めましょう。
術後1週間は目に水が入らないよう注意する
手術翌日から日常生活はほぼ送れますが、術後1週間程度は洗顔や洗髪に注意が必要です。感染症を防ぐために処方された目薬を指示通りに使用し、目をこすらないようにすることが大切です。運動や旅行などは、担当医に再開のタイミングを確認してから行いましょう。
白内障手術でよくある質問
手術中は痛い?
局所麻酔(目薬による麻酔)を使用するため、手術中にほとんど痛みを感じることはありません。圧迫感や光のまぶしさを感じることはありますが、強い痛みがある場合は術中でも麻酔を追加できます。
手術しなくてもいい?進行を止める方法は?
現時点で、白内障の進行を止める薬はありません。点眼薬で進行を遅らせる治療はありますが、根本的な改善には手術が唯一の方法です。ただし、日常生活に支障がない段階であれば、すぐに手術する必要はなく、経過観察でも問題ありません。
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まとめ
白内障手術は日本で最も多く行われている手術のひとつで、15〜30分の局所麻酔で日帰り対応が可能です。標準的な手術は保険適用で受けられ、多くの方が術後に視力の改善を実感しています。
「手術が怖い」という気持ちは自然なものですが、まずは仕組みを知ることで不安はかなり軽くなるはずです。見え方に不便を感じている方は、一度眼科で相談してみてくださいね。
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